日本のガイドブック等ではほとんど紹介されていませんが、台北で羊肉料理はポピュラーなものであり、その人気店の1つに『莫宰羊』というお店があります。
『莫宰羊』は台北に3店舗あり、3兄弟がそれぞれを経営されています。
どの店舗もGoogleマップのクチコミは1,000件ほども寄せられていますが、日本人のものは、
- 内湖港墘店:1件
- 松山北寧店:0件
- 大安台大店:5件
と、わずかしかありません。
そんな謎多き『莫宰羊』の内、松山北寧店に行ってきたのでご紹介します。
羊肉好きの方はぜひ本記事をお読みいただき、お店に行っていただければと思います!
『莫宰羊 松山北寧店』はどんなお店?
3兄弟が手掛ける『莫宰羊』
冒頭にも書きましたが、『莫宰羊』は3店舗を3兄弟が経営しています。
羊肉鍋の超有名店『下港吔羊肉專賣店』の教えを受け、1992年に創業しました。
現在では、
- 長男:内湖港墘店
- 次男:松山北寧店
- 三男:大安台大店
の経営となっています。
謎①:ヒツジなのかヤギなのか
ここまで羊肉と書いてきましたが、台湾で羊肉というと一般的にはヤギ肉であるらしいです。
中国語では、ヒツジ=綿羊、ヤギ=山羊なのですが、これがお肉になると両方とも羊肉というらしく、紛らわしいのです。
日本ではほとんどがヒツジ肉なのですが、沖縄ではヤギ肉を食べていますし、ヒツジ肉かヤギ肉かを食べて区別するのは現実的には難しいです。
なので、気にしないでも美味しければ良いじゃない!という話ではあるものの、結局どっちなの?!と気になってしまいました。
『莫宰羊』のWEBサイトの日本語タイトルは”ヤギ-莫宰羊絶妙な子羊の料理 – 莫宰羊羊肉爐”となっており、サイトを英語化してみてもLamb(ラム)、Mutton(マトン)、Goat(ヤギ)が混在していて、訳が分かりません。
“「莫宰羊」の羊肉食材料はすべてニュージーランド、豪州から輸入”とも書かれているので、ヒツジの可能性が高いと思うのですが・・・。
イロイロと調べてみたのですが、結局分かりませんでした。

ゴメンナサイ!
謎②:店名は当て字なのかダジャレなのか
『莫宰羊』という店名ですが、直訳すると”羊を殺さないで”という意味になります。

台北ブラックジョークなの?!
しかも台湾には『莫宰羊』というアーティストもいるようです。
これがどういうことかと調べてみると、解説しているWEBサイトを見つけました。
台湾語で”分かりません”は母知影(ンザイヤン)というそうで、その発音(ピンイン)に中国語を当て字したのが莫宰羊(mo zai yang)なのだそうです。
※ちなみに中国語で”分かりません”は、不知道(bu zhi dao)です。
この当て字が面白おかしいものなので、台湾語の母知影(ンザイヤン)の当て字として定着し、しかもそれをパロったお店が『莫宰羊』のようです。
しかも、お店の看板にはさらに英語の当て字のつもりなのか、”more joy young”とも書いてあってもはや収拾がつきません・・・。
台湾人YouTuberが紹介していたので行ってみた
実はこのお店、台湾人YouTuberが紹介していたので知りました。
▼その動画がこちら
タイトルは「ガイドブックに載ってない!台湾【絶品羊肉料理店】を紹介!」となっており、日本人にはほとんど知られていないが、台湾人には人気のお店であると紹介しています。
動画は日本語なので、中国語が分からない方でも楽しめます。
この動画で台湾人YouTuberのズズはずっと「羊肉」と言っていますが、日本人のようにヒツジとヤギを区別して「羊肉」と言っているのかは分かりません。
また、コメントには、台湾人の言う羊肉はヤギのことだと指摘するものや、このお店は本当の羊肉だと指摘するものもあり、結局、謎①は解けませんでした。
いずれにせよ、この動画で『莫宰羊 松山北寧店』の雰囲気や料理が紹介されているので、気になる方はご覧ください。
この動画をふまえた上で、実際に行ってみた僕が他の料理や感想をご紹介します!
『莫宰羊 松山北寧店』で羊肉を堪能してみた!
メニュー
『莫宰羊 松山北寧店』のメニューがこちら。
左側のページはセットメニューや鍋メニューで、4人以上のグループだとこちらを選んでも良いと思います。
僕たちのように2人くらいで行く場合は、右側のページの一品料理から選ぶ方が良いかと思います。
羊肉の炒めもの、青菜の炒めもの、羊肉の串焼き、主食(麺・ご飯)、スープのカテゴリーがあり、オススメにはマークが付いています。
ちなみに、メニューの他のページがこちら。
いくつかのスープの写真と飲み物ページでした。
鍋を食べないならスープは必須です。
オススメマークからいくつか注文して、羊肉を堪能してみました!
沙茶羊肉(羊肉の沙茶醤炒め)
沙茶羊肉 160元(600円)
羊肉とさつまいもの茎葉(地栗葉/たぶん)を沙茶醤で炒めた料理です。
沙茶醤は魚介の旨みとニンニクを効かせた台湾の万能調味料で、見た目的にも役割的にも、日本でいう焼肉のタレという感じです。
焼肉のタレのイメージで口に入れると、魚介の匂いが強くてイメージが裏切られるので、日本人的には違和感を感じると思います。
しかも塩分控えめで薄味なので、最初は「あれ・・・微妙・・・?」と思ったのですが、食べているうちにどんどん美味しく感じてきて、飽きずに完食できました。
今回の台湾旅行の自分たちへのお土産として沙茶醤を買って帰ったくらい気に入りました。
赤肉湯(羊肉スープ)
赤肉湯 100元(370円)
台南の牛肉スープの羊肉バージョンです(→台南で食べた牛肉スープについてはコチラ!)。
羊肉は臭みがなく、さっぱりとしていて美味しいですが、羊肉が好きな人にはむしろ物足りないかもしれません。
スープは薄味で台湾でしか食べられない味です。
しかもスープはおかわり自由なのです。
店員さんに声を掛けて、加湯(ジャータン)と言えば入れてくれました。
脚骨湯(骨付き肉のスープ)
脚骨湯 130元(480円)
写真を見てどうしても頼みたくなったのがこちらの骨付き肉のスープ。
赤肉湯は臭みがありませんでしたが、脚骨湯は割と臭みがあるので羊肉が苦手な人はダメだと思いますが、好きな人は病みつきになる美味しさです。
食べているときは骨付き肉だから臭みがあるのかな?と思っていたのですが、後からWEBサイトで調べると脚骨湯の説明にはしっかりと”Goat”と書いてあったので、これだけはヤギ肉なのかもしれません。
左が脚骨湯、右が赤肉湯です。
同じスープメニューなのに、このボリュームの違い!
この脚骨湯のもう1つの特徴は、骨の中の髄液(?)をストローで飲むということです。
店員さんがストローを持ってきたときは何事かと思ったのですが、ジェスチャーで教えてくれました。
そんなに味がするものではなく、コラーゲンを食べた(飲んだ)という感じです。
▼脚骨肉をすっかり食べたところ
骨に付いている肉がいちばん美味いとはよく言われますが、軟骨からスジ肉から食べごたえがありました。
肉を食べている!という野生の気持ちを感じられ、満足感がスゴイです。
羊肉の臭みが大丈夫(むしろ好き)な方は絶対に脚骨湯がオススメです。
アクセス
基本情報
住所:105台北市松山區北寧路30號
営業時間:11:00~14:00、17:00~25:00
MRT台北小巨蛋站(台北アリーナ駅)から徒歩4分です。
本当に目の前に台北アリーナがあります。
Webサイト
公式Webサイト:http://www.mjy.com.tw/jp/