台南名物の
「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」
をご存じですか?
台南でポピュラーな淡水魚「鱔魚(タウナギ)」と、台南名物の麺「意麺(いめん)」を融合させた、生まれるべくして生まれたTHE台南グルメです。
これがめちゃくちゃ美味しいので、まだ食べたことない方にはぜひ挑戦してほしいです。
というわけで今回は、
「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」とはなんぞや?という方への簡単な解説と、
台南地元民おすすめのタウナギ意麺の名店をご紹介します!
鱔魚意麺(タウナギ意麺)とは?
「鱔魚(タウナギ)」って何?
「鱔魚(タウナギ)」(発音:シャンユー)は日本人には馴染みのない魚ですが、台南ではポピュラーで、ローカルグルメによく登場します。
沼や水田に生息している細長い淡水魚で、身が赤黒く、調理前の見た目は少しグロテスクです。(見たい方は画像検索してみてください)
骨が多いので、調理時に細かく骨を断ち切る「骨切り」を行います。日本の鱧(はも)と同じような感じで結構手間がかかるようです。
おかげで食べる際には骨は全く邪魔にならず丸ごと食べれて、サクッとして歯触りが良く、味はさっぱりしていてクセがないです。
「意麺(いめん)」って何?
「意麺(いめん)」(発音:イーミェン)は、台南の鹽水発祥とされる伝統的な麺です。
「鹽水意麺」はお土産としても人気なので知ってる方も多い?
小麦粉と卵と塩のみで水を加えずに天日干しされたちぢれ麺で、これをさらに油で揚げた物を「油炸意麵(ヨウジャーイーミェン)」と言います。
「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」には、この油で揚げた油炸意麵を使います。卵が入っているので、油で揚げると膨らんでサクサクになり、味を染みこみやすくでき、保存性も高まるそうです。
噂によると、朝ドラでも話題となった日清食品の創業者であり「カップヌードル」の開発者でもある安藤百福(あんどうももふく)さんは、幼少期に台湾に住んでおり、この油炸意麵がカップヌードル開発のヒントとなったと言われています。
タウナギ意麺は2種類ある!
上記で説明した「鱔魚」と「油炸意麵」を茹でて、野菜と甘辛いタレで味付けされた物を「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」と言います。(発音は「シャンユーイーミェン」)。
そして、タウナギ意麺には大きく分けて2つの種類あります。
ひとつは日本の焼きそばのように、タウナギと麺と野菜を炒めた「乾炒鱔魚意麵(ガンチャオシャンユーイーミェン)」。
もうひとつは、麺の上にタウナギと野菜のあんかけをかけた「鱔魚意麵羹(シャンユーイーミェンガン)」です。
どちらも置いているお店が多いですが、お店によってどちらが人気かは異なるようです。
鱔魚意麺の人気店はどこ?
「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」は台南を代表するグルメなだけあって、人気店や有名店がたくさんあって、どこに行けばいいか迷ってしまいます。
下記は台南の観光地からもアクセスしやすい人気店です。
・阿江炒鱔魚(神農街すぐ)
・八三鱔魚意麵(赤崁楼すぐ)
・黃記鱔魚意麵(永楽市場すぐ)
などなど。
しかし今回は、台南の友人がオススメしてくれた地元民に大人気の『進福炒鱔魚專家』に行ってみました。
そして、ローカルの方がおすすめするだけあって大満足できるお店でしたので、ぜひシェアしたいと思います。
『進福炒鱔魚専家』に行ってみた
ここからは、今回行った『進福炒鱔魚專家』(発音:ジンフーチャオシャンユージュエンジァー)についてご紹介!
アクセス
超メジャーな台南観光地からは少しはずれますが、無料で見学できて台南の歴史を学べる「台南市立博物館」から徒歩4分、日本統治時代の建物をおしゃれにリノベーションした「台南市美術館」から徒歩10分ほどなので、セットで行くのもおすすめです。
台湾鉄道の「台南駅」からもタクシーで5分ほどなので便利です。
お店の雰囲気
▲店先ではおばちゃんが元気に走りまわりながらテキパキお店をまわしています。
▲奥で寡黙なお父さんが黙々と鍋を振ります。
写真左下に写っているテーブルにメニュー表が雑多に置かれており、それにマジックで書き込んでおばちゃんに渡せば注文完了です。
▲すぐ横が客席スペース。ローカルな雰囲気がありますが店内は清潔です。
▲ガラス張りなので広々と感じます。
実際、座席と座席が離れているので狭っ苦しくなくてリラックスできます。こういった配慮は個人的には嬉しいポイントです。
メニュー・注文方法
メニュー内容はざっと下記です。
黄色:タウナギやイカの炒め系料理
青色:ごま油、生姜、酒を使った麻油料理
紫色:スープ系
緑色:冷菜系
ごま油、生姜、酒を使った「麻油料理」は、台湾では非常にポピュラーです。特に冬は、麻油の鶏肉料理「麻油鶏」を食べて体を温めるのが台湾人の乙な習慣。
そして、なぜか台南の多くのタウナギ料理の店には、必ずこの麻油料理がセットで置いてあります。
今回訪れた『進福炒鱔魚專家』でも、麻油料理をおすすめしており、中でも豚の腎臓を麻油で炒めた「麻油炒腰花(マーヨウチャオヤオファ)」はイチオシとのことでした。
▲ちなみに、飲み物は店内の冷蔵庫にあるので、勝手にとって申告してください。
ただ、水と烏龍茶しかないので、お店に入る前にどこかで買って持ち込むのもオススメです。
今回注文した料理
タウナギ意麺には焼きそばver「乾炒鱔魚意麵」と、あんかけver「鱔魚意麵羹」があると先に説明しましたが・・・
『進福炒鱔魚專家』は焼きそばverが人気なので「乾炒鱔魚意麵」にしよう
そして、お店イチオシの「麻油炒腰花(豚の腎臓の麻油炒め)」・・・と思ったのですが、個人的にはスープが大好きなので、豚の腎臓の麻油スープ「麻油腰花湯」を注文することにしました。
食べてみた感想
▲やってきました。お値段は他にお店に比べても安くはないですが、ちゃんと量がたっぷり入っていて納得感あります。
乾炒鱔魚意麵(タウナギ意麺)
▲「乾炒鱔魚意麵」230元(約1,030円)
揚げた意麺に甘塩っぱいソースが絡んで美味しいです。結構甘めの味付けなので、甘い味好きの人にはピッタリ。
大きなタウナギが何枚も入っており、プリッとして骨を気にせずバクバクイケます。
タマネギの食感がシャキシャキでアクセントになり、タウナギと麺とタマネギの相性が抜群です。
とにかく甘めの味付けなので、2歳の子どもの口にも合ったようで、爆食いしてました。
麻油腰花湯(豚の腎臓の麻油スープ)
▲「麻油腰花湯」200元(約900円)
お店イチオシの豚の腎臓の麻油(スープverだけど)です。
一体、腎臓何切れ入ってるのか・・・と言うほどすごいボリュームです。
1人で食べるには多いので、2~3人で食べるのがオススメです。
腎臓の味は淡泊ですが、歯ごたえがプリッとしていて食べ応えがあります。味が薄いので、一緒に持ってきてくれるソースにつけて食べます。
腎臓料理って日本ではあまり見ないですし、精が付きそうだし、モツ好きの人は必見です。
日本の豚の腎臓は
どこに行ってるのだろうか…?
スープも生姜がきいていて、
濃厚で美味しい
スープはスープで楽しみ、腎臓は腎臓でソースにつけて食べるのがおすすめです。
▲ちなみに、テーブルの上の「台湾辣妹」という辛味調味料がすごく美味しくて驚きました。タウナギに付けても、腎臓に付けても美味しかった。
めちゃくちゃ美味しいと思ったら、先ほどの飲み物の冷蔵庫に350元で売ってました。おすすめです。
ちなみに「台湾辣妹」は「台湾のセクシーギャル」って意味です
まとめ
今回は、日本人にはあまり馴染みのない台南美食「鱔魚意麺(タウナギ意麺)」と、おすすめのお店についてご紹介しました。
台南の友人がおすすめしてくれたお店で、少なくとも私たちが行った時には台湾人のお客さんしかいないようでした。
日本人観光客は比較的少ないお店かもしれませんが、美味しくてボリュームもあって、広々として綺麗です。
店員のおばさんには「ニホンジン!?いいね!」って言われました。
気になった方はぜひ、行ってみてください。
『進福炒鱔魚専家』アクセス
営業時間:11時00分~22時00分
住所:台南市中西區府前路一段46號
・台南市立博物館から徒歩4分
・台南市美術館から徒歩10分
・台南駅からタクシー約5分