今回、台湾人の友人に会いに、初めて新竹(シンジュー)を訪れた私たち。
台北から新竹までは
高鐵で約30分。近い!
新竹は以前、台北から台中や台南に高鐵(台湾高速鉄道=いわゆる台湾新幹線)で移動した際に通過したことがある駅でした。
というか高鐵に乗った日本人は、
すべからく通過してるはず
日本人で新竹にわざわざ観光に行く人はまだ少ないと思います。
しかし、今回行ってみて分かったのは、歴史探索からグルメまで、数々の見所が存在しているということ!
非常に楽しめたので、レポートしたいと思います。
新竹って、ざっくりどんなトコ?
最も有名な名産はビーフン
日本のスーパーでも「新竹米粉」という字が書かれたパッケージの「米粉(ビーフン)」をよく見かけます。新竹は冬に吹きすさぶ猛烈な季節風を利用してビーフンを作っており、日本のスーパーにまで当たり前に進出しているので、生産量もかなりのものだと思います。新竹を代表する名産品ですね。
台北のベッドタウン
新竹は台北からほど近いこともあり、台北のベッドタウン的な役割も担っているそうです。
友人が言うには、ここ数年特に開発が進み、高層マンションが次々と建っている模様。台北の地価が爆上がりしているので、必然的に近隣の新竹が人気の土地になってきているようです。
また「台湾のシリコンバレー」とも呼ばれており、半導体などをつくるIT企業が集中していることでも知られています。
人気観光地「内湾老街」
一方、自然も非常に豊かで、漢民族である「客家」の人々も多く住んでいる場所です。
新竹市の中心地から台湾鉄道で内陸に進むこと1時間ほどの山間には、客家の街並みや文化が色濃くが残る「内湾老街」という美しい客家村があり、観光地としても有名です。
今回は時間がなかったけど、
次は行ってみたい!
▼内湾老街▼
新竹は歴史的建造物の宝庫
台湾最古の駅舎『新竹駅』
新竹駅は日本統治時代の1913年3月31日に完成した建造物で、現存している台湾最古の駅舎だそうです。
外観の美しさもさることながら、半屋外の切符売り場周辺も、まるで昔の映画のようで見とれてしまいました。
新竹駅、夜もめっちゃ綺麗!
ちなみにここは「台湾鉄道」の新竹駅。
「高鐵」の新竹駅は全然違う場所!
台湾鉄道の新竹駅は、バロック建築とゴシック建築が織り交ぜられた駅舎。設計は松崎万長(まつがさき つむなが)という日本人建築家で、西門町の「西門紅樓」もこの方が設計しています。
台湾に残る日本統治時代の建築、
かっこいい建築が多い
複雑な歴史は否めないけど、
台湾の人たちが大切にしてくれてることが嬉しい
▼台湾鉄道「新竹駅」▼
ちなみに高鐵の新竹駅の駅前は
こんな感じです▼
新しい駅と町並み。
雰囲気が全然違う
駅はコピペ設計で、
「台南駅」とほぼ同じ構造だ
高鐵の新竹駅の周辺は趣ある雰囲気ではありませんでしたが、台北のごみごみした喧騒と比べると、すごく快適で南国の開放感を味わえました。
アジアの凱旋門!?『迎曦門』
台湾鉄道の新竹駅から徒歩5分ほどの場所に、まるでパリの凱旋門のような巨大な円形の交差点が出現!
そう、これが新竹のランドマーク『迎曦門(げいぎもん)』別名『東門』です。
もともとは1829年に東西南北に4つの門が建設され、1902年の日本統治時代に都市計画のため取り壊され、現存するのは、修復された東門のみだそうです。まさに歴史に翻弄された建造物。
東門自体も歴史的価値があり、とても美しかったのですが、東門を取り囲む円形ロータリーには圧倒されました。
信号がない円形のロータリーをすごいスピードでバイクや車が通り過ぎていく…。日本では見られない貴重な光景、ハラハラドキドキの体験でした。
信号がないよ!
どうやって渡るの!?
地元民にひっついて渡るしかない!
ちょっと不謹慎かもですが…日本人にとっては、かなりスリリングで面白い場所だと感じました。おすすめです。
▼迎曦門(東門)▼
映像ミュージアム『影像博物館』
そして『迎曦門(げいぎもん)』から約150メートルの場所にある映像ミュージアム『影像博物館』。
1933年の日本統治時代に台湾で初の冷房を備えた劇場として建設された映画館「有楽館」を再利用した博物館です。今でも館内の劇場で、古典映画や昔の作品の特集上映が行われています。
すごくモダンなデザイン!
この博物館自体は2000年に開館したそうですが、2022年に「或者光盒子」と銘打ってリニューアルされたようです。リニューアル時に、書店や「光盒子BISTRO」というおしゃれなレストランバーが入ったようです。
「或者光盒子」には、映画関連の書籍や日本の雑誌、ポストカードなどが置いてありました。台湾映画関連の書籍は結構豊富だと思います。
ここでエドワード・ヤン監督関連の書籍をゲットしました
書籍を購入した際に店員さんがおみくじを引かせてくれて、映画の鑑賞券が当たりました。上映作品はなぜか、2003年公開の名作『無間道Ⅱ(インファナル・アフェア 無間序曲 )』。
いや、めっちゃ好きな映画だけど!もう日本に帰るしな…
結局、新竹在住の友人にAIR MAILで送付したのでした。
また、館内では古いカメラや映写機、蓄音機などの常設展示もされてます。これらはリニューアル前からあるものな気がします。
映画好きは必見の施設ですよ。
▼影像博物館 或者光盒子▼
100年の老舗とニューウェーブがしのぎを削る美食街『東門市場』
台湾で「美食砂漠」と揶揄される新竹
そして、今度は新竹のグルメについて。
実は、台北や高雄の友人から「新竹は “美食砂漠” と呼ばれてる」と聞いたことがありました。
美味しいものがないってこと?
その後ネットで調べてみたら、確かに「新竹は美食砂漠なのか?検証してみた!」系の記事や動画がわんさか出てきました。
せっかく来たんだし、
我々も検証したい!
というわけで、生粋の新竹っ子たちに激推しされたグルメスポットに行ってみました。
秘密基地のようなグルメ街『東門市場』
新竹のランドマーク『東門』ほど近くの雑居ビルのような場所。
ここが、古くから地元民に愛される美食街『東門市場』です。
▼東門市場▼
ホントにココ?
恐る恐る入っていくと…
まるで秘密基地のような通路が四方八方に張り巡らされていました。
内部はこんなに広いのか!
上記の写真を撮った時間帯は開店直前のお店も多くシャッター多めですが、このすぐ後、次々と開店し老若男女の活気で溢れていきました。
この『東門市場』は1900年からあるらしく、老舗らしき店や新規参入した若者のおしゃれな店まで、雰囲気の全く違う店同士がひしめき合っていました。
どこに入ろうか迷いすぎて
空腹MAX…
おしゃれな雰囲気の日本風ラーメン店も多いね。流行りかな?
地元っ子オススメのチベット料理店『青丹扎西』
おなかを空かせながら歩いていると、新竹の友人がオススメしてくれたチベット料理店を発見。
せっかくだから、ここにしよう
▼『青丹扎西 東門市場店』▼
お店イチオシの鍋料理はあまりに量が多すぎたので、私たちは軽食を2品注文。
羊肉串(4串) 180元
写真は8串(360元)です。ゴマとパクチーがかかっています。
スパイスが効きすぎてる訳じゃないのに、まったく臭みがないのは肉自体が新鮮だからだと思います。お酒に合いそう。
これ、美味い!
紅景天羊雜麵 150元
麺系のおすすめは?
と店員さんに聞いてそれを注文したので、どんな麺かわからないまま待つことに。
すると、ハツやハチノスのような内蔵系の具材が入った極太麺が出てきました。スープはスパイスの香りが効いています。
とにかく麺がめちゃくちゃ太い。きしめんより太い。例えるなら、すいとんを麺状に伸ばした感じです。
もう、「麺をすする」というより「小麦の塊を食べてる」感じ
でも、コシがあって美味しい
こちらの内蔵も羊肉串と同じく臭みが全くなく、柔らかく煮込んであり、非常に美味しかったです。
ちなみに、台湾の「羊肉」は「ヒツジじゃない」ってご存じですか?
気づいた時は我々も非常に驚きました。初めて台湾の「羊肉」の人気店で食事をした際に、美味しかったのですが、どこか違和感を覚えた我々。ネットで調べたり台湾人に聞いたりしてヤギだと発覚。
台湾人に友人には「羊肉が “ヒツジ” か “ヤギ” かなんて、あんまり気にしないよ~」と言われちゃいました。
これって全部、ヤギの内臓ですか?
と店員さんに聞いたら「そうですよ~」とのこと。
ヤギの内臓、初めて食べた!うまっ
「美食砂漠」ならぬ
「美食オアシス」!
歴史ある濃厚な雰囲気の美食街で新鮮なヤギ肉。是非お試しください。
そして、ここまでご紹介した
・迎曦門
・影像博物館
・東門市場
はすべて、余裕で徒歩圏内です。台北からのショートトリップにうってつけですので、是非新竹に足を伸ばしてみてください。まだ知らない台湾と出会えるかも?
おまけ
客家ならではの美食『板條』がウマい
新竹の友人が「新竹ならではのものだよ」とご馳走してくれた『板條』。
新竹に多い客家人が得意とする米の加工品で、餅米やうるち米から作った麺料理だそう。このお店では、炒めた板條を食べたのですが、これがすごく美味しくてびっくりしました。
新竹に行った際には『板條』も是非、試して欲しいです。
『板條』の写真撮り忘れたー!